そんな睦也の思いと、まだ何かを伏せようとする優。そのギャップからか、付き合い始めたころ、正確には何度か体を重ねていく内に、二人の間には開かれることのない扉が立塞がっており、いつか二人の間を引き裂いてしまうのでは……、そんな錯覚を抱くようになっていた。同棲という形をとったのは、そんな事態を回避するためだったのかもしれない。睦也は優を真剣に愛していた。叶うことならば、一生を添い遂げたいと思う程に。
「睦也、何考えてるの?」
左肩を枕にした優の言葉に、我に帰った。
「……永遠を望むことは出来ても、手にすることは出来ないのかな、って」
「睦也はたまに、よく分からないことを言うよね」
「それが……」
「それが芸術家ってもん、でしょ?」
楽しそうに笑う姿を見ていると、全てが思い過ごしのように思えてきた。そうでなくとも、時間という鍵が、いつかその扉を開いてくれるのではないかと。
「睦也、何考えてるの?」
左肩を枕にした優の言葉に、我に帰った。
「……永遠を望むことは出来ても、手にすることは出来ないのかな、って」
「睦也はたまに、よく分からないことを言うよね」
「それが……」
「それが芸術家ってもん、でしょ?」
楽しそうに笑う姿を見ていると、全てが思い過ごしのように思えてきた。そうでなくとも、時間という鍵が、いつかその扉を開いてくれるのではないかと。


