春…

たくさんの出逢いと別れがあるこの季節。

この季節は、誰もが自分の道を歩んでゆく…

…私、なんのために高校に入ったの?
…勉強のためだけ?
そんなの。つまらなすぎだし…嫌…

入学式が終わり、新しいクラスへと向かう同級生の後ろ姿を見て思う…

入学式当日からそんな思いが頭に募る。
そう・・・牧原優乃というこの私は・・・
中学の入学式もこんな気持ちでいたのかもしれない。

でも。そんなブルーな私の気持ちを理解して、支えてくれる友が居る。
とっても幸せなこと・・・


気がつけば教室の前まで着いていた。
・・・勇気を出して、教室へと踏み入る。

知らない人がたくさんいる。
なんか、怖い・・・

深愛ちゃん、
お願い、早く来て!!

ガラガラッ・・・
教室のドアが開く音。
(深愛ちゃん??・・・違う。)
勢いよくドアを開けて入ってきたその人は、このクラスの担任だと名乗っていた。
・・・違う。そんなことどうでもいいの。。
それより、深愛ちゃんは?
深愛ちゃんも、同じクラスなのに、なんでいないの?
嬉しいことに席は窓側。
とっさに窓から深愛ちゃんを探す。

私の、小学校の時からの大親友、高峰 深愛ちゃん。
控え目だけどドジっ子な私と正反対で、
明るく、笑顔がまぶしい仔。
そんな彼女は、私の大親友・・・
相談に乗ってくれる、優しい私の相棒。


担任が出席を取っていた。
最後から2番目の私が呼ばれて気付いた・・・
「牧原ー!大丈夫か?」
「・・・はい」
愛想悪く返事をする私。

あー、情けない。私、あの仔がいないと自分で居られないんだあ。
それほど大きな存在だったんだね。

担任がクラスに来て何分経ったか分からない。
カラカラ、とゆっくりドアの音。

(あ、深愛ちゃんだぁ!)

それから私に笑顔が芽生えた。
私と、深愛ちゃんはずっと一緒に話してた。


こんな楽しい日々が続くといいな・・・

深愛ちゃんと楽しく生活する事を夢見る・・・。