「もぉ〜ちょっと」



それでも負けんじと布団にしがみついている



「いい加減に起きろ!!!」



要の怒鳴り声に体をビクッ!!とさせ



「…お、おはよー」



漸く起き出そうとする


2人の朝はこうやって始まる





ノソノソとベッドから這い出し、美亜が確実に起きた事を確認すると



「弁当あるから忘れんなよ」



要は一言だけ残しリビングへ行った




――弁当!!



この言葉に反応し美亜は着替えの途中にも関わらず、ダイニングテーブルへ向かった





ここに住み始めてから今まで弁当なんて作って貰った事がなかったのだ



「おぉ〜おっ!!」



感嘆の声を上げた



「どしたの!?何かいい事でもあったの?」



丁寧に弁当包みに包まれた弁当を掲げた



「いや、昨日のば………!!」



『晩飯作り過ぎた』そう言いたかったのだが、美亜のあられもない姿が視界の隅に入り、新聞を見ていた視線を上げるてしまった