美亜は1人、サンサンと照らすお天道様の下をブラブラと歩いていた


特に何をする訳でもなく、目的がある訳でもなく




いよいよ明日が引越し日というのに、段ボールに詰めていない荷物が半分もある


いざとなったら要に手伝って貰おうという魂胆だった






「やっぱ買って正解だね」



歩き疲れた美亜は1つのカフェへ入り、通りに面したガラス張りの席に座り、テーブルの上から視線を反らす事なく満足げに微笑んだ


プラプラ店内物色をしていると、ペアのマグカップに心惹かれ買ったのだ


それをテーブルの上に2つ並べ、ニマニマと鼻唄を歌い出しそうな雰囲気で眺めている



白地に大きな豚さんの絵が描かれているマグカップ


1つはピンク色の豚さん

もう1つは黄色の豚さん



取っ手を外側に向け2つをくっつけると、ピンク色の豚さんと黄色の豚さんが向き合い鼻をくっつけているように見える



「ピンクがあたしので、黄色が要ちゃん」



んふふっと言いながら、マグカップを両手に持ち豚さんをくっつけたり放したりしている