少年は透かさず幼い少女の顔面を掴んだ



「か、要ちゃん!!」



少年の腕の長さには敵わず、あと少しで届きそうだけど届かないもどかしさから、幼い少女は両手をバタバタと仰いでいた



「あーそーんーでー」



力の差が歴然にも拘わらず、それでももがき続けていた



「………美亜」



名前を呼ばれ遊んでくれると思った少女は、嬉しくなり大人しくその場に直った



「なに?」



クリクリと愛らしい眼からも喜びが伝わってくるようだ



「かくれんぼしてる訳じゃないんだよ」



少年は優しい言葉遣いだが、少し不機嫌さが伺える



「えーーー」



少女は負けじと不満を訴える



「少し待ってろ。これが終わったら遊んでやるから」



少女は机の上にある物と少年の顔を交互に見比べ、少し考えると「うん!」と勢いよく返事をした