「あのね、あたし…」
漸く口を開いた美亜は埋めていた顔を上げた
「まだ貰ってない!!」
突拍子のない言葉に要はマヌケな面をした
「だーかーらー!まだ貰ってないんだってば!!」
要のシャツをギュッと握り訴えた
先程の不安げな表情と突然出てきた“貰ってない”という単語
要は何の繋がりがあるのかと考え、「貰ってないよ」とふて腐れている美亜には、もう不安げな表情はなかった
「何でないの!?ホワイトデー!!」
駄々をこねた子供のように美亜が言うと、眉根を寄せて「は?」と言われてしまった
「あたしが忘れてると思って、そのままにしてたでしょ!?」
勝ち誇ったように言うと、要はフッと柔らかい顔を見せた
何だかバカにされたような気がしてムッとするとポンポンッと頭を撫でた
「ご、ごまかすの!?」
必死にホワイトデーをねだる姿に、要は耐え切れずに声を出して笑い出した


