今、目の前には石川誠二が居る


彼は明日、オトンとオカンに話をするために旅立つのだ


美亜は彼を前にして少し緊張していた





「あの…あのですね」



テーブルにはスパイシーな香りが漂う、インド料理が並んでいる




よりによって、カレー繋がり…



美亜は意を決し、言った



「あ、あたし料理が出来ないんです!!」



今日の美亜は口数が少なく殆ど俯き加減だったのに、急に大きな声を出したため石川誠二は少し驚いていた



「あたし料理出来ないんです!それなのに一緒に住んでもいいんですか?」



綾子に言われるまで大した問題じゃないと思っていた


だって、毎日美味しいお店に連れて行って貰えると思っていたから