石川誠二の気持ちは直球なのに対し、言葉はとても分かりずらい



「もしかして、あのリバストーンの御曹子に?!」


「ヲワアーーーッ!!」



“リバストーン”の“リ”が聞こえた瞬間、急いで綾子の口を塞いだが遅かったみたいだ



早口で捲し立てた所為で台詞は最後まで発され、社食に居る全社員が美亜達を注目していた



「声が大きいって!!アハッアハッ!お騒がせ致しました〜」



一旦綾子を制し、苦笑しながらこちらを向いている人達にペコリとした



「ンガッ!モガモガ!」


「何?ハッキリ喋ってくんないと分かんないよ」



綾子は自分の口元にある手を指しながら、美亜をキッと睨んだ



「タハッ!ごめんごめん」



荒い鼻息がかかる手を退けた



「口塞がなくてもいいでしょ!」


「綾子が大声出すからでしょ」