「お疲れ様で〜す」



瑠璃は佐々木と反対側から声をかけ、お酌をした



「ああ、ありがとう」



美亜は瑠璃の隣に付き添い、輪の中に加わるのかと思いきや…



「久しぶりの日本はどうですか?」



佐々木を気にせず要に話しかける瑠璃



「それでですね」



先程の話の続きだろうか

負けじと身を乗り出す佐々木



「………」



テーブルの上にある、殆ど手の付けられていない料理に目がいく美亜




誰1人として噛み合ってはいない


そこで1つの食べ物に目が止まり



「ぷっ、プリン!!」



好物がある事に気が付いた




「美亜さんもそぉ思いますよね?!」



瑠璃に話を振られるが



「………」



美亜の視線は一点に降り注いでおり、無反応である





そんな様子に気付いたのは要であった



「ほら」



目の前にプリンの乗った皿が差し出された


食べていいの?!と、視線で訴え、穏やかに目を細める要を肯と認識し、手を付けた



「うっまーい!」



好物を手にした美亜は強者だ


結局、要を勝ち取ったのは美亜であった