箸に挟まれた月見は美亜の口に入る事なく、空しく器の中へ戻っていった



「お、お疲れ様です」



何で今日に限って外で人に出くわすのだろうか


発信機でも取り付けられているのだろうかと思ってしまった



「此処いいかしら?」



4人掛けの席だから2人分の席が空いている



「ど、どうぞ」


「お邪魔するわ」



佐々木はニッコリと笑顔を作り、美亜の隣に座った



「そういえば白石さん、あなたお見合いしたんですってね」



ハッ………

な、なんで知ってるの



「お式はいつ頃?」



何を企んでいるのか


微笑みが貼り付けられた下の表情を読む事が出来ない