社食に居ると必ず誰かと会い、一緒に食べる形になる


今日は1人で居たい気分だったため、近所のうどん屋に来ていたのだ



「たまには外食だってしますよ」



ニヘラと笑ってごまかしておいた


そして無性に月見を食べたい衝動に駆られ、黄身を崩さずに箸で摘み口を開けた瞬間

阿部が出入口に向かって手を振った




美亜は出入口に対して背を向けて座っているため、相手が誰かは分からなかったが気にせず箸を口元へ進めた


その人物が美亜達の席まで近付き、顔を上げると



「あがっ!!」



佐々木の姿があった