「美亜は小さい頃から免疫が付いちゃってるのよ」



彼女は何が言いたいのだろうか

綾子は不服そうに美亜を覗き見た



「だって、あの若さで海外勤務よ。それに、あの容姿!!文句の付けようがないじゃない」



確かに要ちゃんはブサイクではない

では、カッコイイのかと問われると・・・



いや、フツーっしょ




「そこの感覚よ。小さい頃から慣れてるから麻痺しちゃってるんじゃないの」



羨ましそうに綾子は言うが、やっぱりいまいちピンとこない



憧れる要素を事細かに教えて欲しいものだと思う




「そろそろ戻らないと」


綾子の言葉で時計に目を向けると、昼休憩終了10分前を指していた


「じゃあね、美亜。何か情報が入ったら教えてね」


厳しいお局様がいる課の彼女は一足先に戻って行った




それから1週間後、10月1日付けで正式に要ちゃんの異動が発表された