「ゔっゔっゔっっっ…」



特に予定もなかった美亜は、先週借りてきたDVDを見ていた



女手1つで育てた母がガンに蝕まれ、息子がカレーを作ってあげたシーンだった



「いい子に育ったね、お母さん嬉しいよ」



美亜はDVDに見入り号泣していた






一頻り泣き気分を落ち着かせると、なんだか無性にカレーが食べたくなった


時計を見ると3時半を過ぎたばかりだった



「………そうだ!」



美亜は閃いたようにポンッと右手の拳を左の掌に打った



「今日の晩ご飯カレーにしよう!!」



たまには恩返しも必要だ