マンションの前まで送って貰い


「今日も楽しかったです、ありがとうございます」



運転席に座る石川誠二にお礼を言い、車を下りようとした時



「美亜さん」



真剣な顔をした彼に呼び止められた



「……はい…」



先程まで笑いがあった空気とは一辺し、車内は静寂さを醸し出していた



「美亜さん」



射止めるような石川誠二の目に見つめられ、徐々に美亜の心拍数も上がり



「美亜さん、僕は貴方の事が好きです」



『可愛い』という形容詞が付いていないストレートな言葉に、心臓がトクンッと跳ねた



「…美亜さんに会う度に、どんどん惹かれていくんです」



何も言葉を発する事が出来ず、石川誠二から目を反らせずにいると


頬に手が添えられ

端正な顔がどんどん近付いてきて


視界が遮られると

唇に暖かい感触が伝わってきた