翌朝、深い眠りから引き戻されたのは要の大声だった



「何でお前が居るんだよ」



若干呆れ気味に言われてしまった



「………おは、よ…」



眠い目をシパシパさせながら頑張って開ける事はせず、再び目を閉じた


隣で溜め息を付く声が聞こえたが、また深い所へ意識が落ちて行った






要は安らかに眠る美亜の頭を撫で



「ガキじゃないんだからよ…」



ポツリと呟き、自身も再び眠りに付いた







もうすぐ春が訪れそうな朝は、まだ寒さを感じて


側にある温もりを確かめるように


向かい合う姿は互いの距離が、これからも変わらない事を示すかのように


歯車が狂わないように






冬が終わるのを感じていた………