エゴイズム☆キララ

どのくらい同じ体勢のままボ〜としていただろう



携帯の着信が鳴り、要は現実に引き戻された


ディスプレイを確認すると面倒臭い相手だと思ったが、仕事の事かもしれないと思い電話に出る事にした



「何だ兄貴?」


『何だじゃない!何だじゃないだろ!!』



鼓膜が破れそうな程の大声に、耳から携帯を遠ざけた



『本当なのか!?行ったのか!?』



主語のない言葉に余計にイライラが募る



『美亜は見合いするのか!?』



何処から情報を仕入れたのか、一の元まで今日の事が届いていたみたいだ



「ああ、するみたいだ」


『それでいいのか?』



急に威勢が消え、一の声のトーンが一変した



「………いいも悪いも仕方ねえよ、あいつが決める事だから」


『…そうか…』



互いに美亜を大切に思う気持ちは変わらない


可愛くて可愛くて仕様がない



『まあ、手塩に掛けた雛でも何時かは巣立って行くさ』


「…そうだな」






何時かのタイミングが


…もしかしたら“今”なのかもしれない