綾子は眉根を寄せて美亜を見た



「そっちじゃなくてモヤモヤイライラ!」



綾子はジョッキに残っていたビールを一気に飲み干し、生1つ〜と頼んだ



「そっちね、ビックリした」



このよく分からない感情が誰に対してのモノなのか、自分でもよく分からない



「佐々木さんに…なのかな…」



ポツリと呟いた



「じゃあ他に誰がいるの?」



空になったグラスを手で回すと、氷だけがクルクル回った




綾子でもないし……要ちゃん?


それも違う気がする


自分に対してのような気もするけど…




手の動きを止めると、氷も滑らかに動きを止める



「ほらね」



グラスにあった目線を上げると、綾子は尾頭だけになったししゃもと見つめ合っていた