「美亜はあげないの?」
「………誰に?」
「決まってるじゃないの!鷹科主任によ」
「何で?」
「何でって…今まであげた事ないの?」
「うん、要ちゃん甘い物苦手だもん」
それに
「他の人から貰ったチョコ食べるのあたしだもん」
最終的には自分に回って来るのだから、あげても意味を成さないと思う
「あんた…」
綾子は最後まで言うか迷った
少しズレているこの子に説明して理解して貰えるのか
「………よし!分かった!!美亜もチョコ作るのよ」
「え、えーーーーーー!!何で!?」
「いいから、ほら早く選びなさいよ」
どんなに反論しても綾子には敵わず、22歳にして初めて『バレンタイン』というものに参加する事になった


