「そうだ、美亜に渡したい物があるんだ」



苦し藻掻いていた美亜を腕から解放し、思い出したように箱を渡した


箱は片手より大きめのサイズで、ピンクの包装紙と白いリボンに包まれていた



「開けてもいい?」



中身の検討がつかず、恐る恐る丁寧に開封した


中から出てきたのは茶色い物体だった



………うをぉぉぉーっ!林檎だ!!



茶色い正体はチョコレートで、形態は林檎である


ご丁寧に林檎の芯までてっぺんに付いている



「食べてみて」



初めて見る物体にドキドキを覚えながら、一口…シャリッ…


この爽快な食感は正しく林檎だ


林檎1個を丸々チョコレートでコーティングしており、林檎飴の『飴』の部分が『チョコレート』に変わっただけなのだが、侮ってはいけない!


カカオの薫りが鼻腔に絡み、チョコレートの甘さと林檎の酸味が抜群だ



「おいしいっ!!」



感動のあまりイチ兄に抱き着いた