どのくらい呆けていただろうか
あまり時間は経っていないが、細胞が活性化された気になった
ホントに怒られるかもしれないと思いながらトレーを抱え会議室を出た
師走と呼ばれる位、社内は忙しなく誰しもが仕事に追われていた
給湯室に向かう途中、急いでいる営業課の人とぶつかりそうになったが、トレーをひっくり返さずに済んだのでホッとした
「みんな忙しそうだな」
1人小さく呟いた
ホケホケ歩いていると自分以外の声が聴こえてきた
話し掛けられたと思い振り返ってみるが、そこには誰も居なかった
「当たり前よ」
歩いて行くうちに、その声はハッキリとしてきた
「24日に賭けてるんだから」
どうやら給湯室から漏れた声みたいだ


