要は、そんな2人を目の隅で捕らえながら



「用が済んだなら帰れよ兄貴」


「ホントに冷たいねえ」



項垂れるながら美亜に抱き着いた



「いいよな〜要は、毎日美亜と一緒で」



チロリと哀愁の眼差しを美亜に向けた





美亜はジィーーーと穴が空きそうな程見据え



「そうだ!イチ兄もここに住もう!!」



名案を思い付いたように叫んだ



名案どころか要からしたら迷惑に過ぎない



「いい加減にしてくれ」


「いーじゃん。イチ兄も一緒だと楽しーよ」



自分の顔より遥かに大きい煎餅のような板チョコをバリバリ食べながら美亜が賛同した



「楽しくねえよ」


「そうか!美亜はイチ兄と一緒に住みたいか?!」



今日初めて想いが開通した一はフニャリと崩れそうな満面の笑顔を浮かべた



「住みたくねえよ!」


「要に聞いてるんじゃない。美亜に聞いてるんだ」


「ここは俺の家だ。美亜はただの居候だ」



毎日この2人に囲まれて暮らすのは御免だ

ただでさえ美亜だけで手一杯なのに



「住みたいなら他の家に住めよ」



目力だけで威圧感漂わせながら一を睨み付けた