男は部屋の様子を見るなり青ざめた



「美っ美亜!」



ベッドまで駆け寄り、要からベリッと音がするような勢いで美亜を引き剥がした



「美、美亜!大丈夫か?!」



今度は額に青筋を立て要をギロリと睨んだ


男の腕の中にいる美亜に尊敬出来る程である


これだけ騒がしいのに未だに爆睡しているのだ



「美亜!美亜!!」



そんな美亜に男は必死に名前を呼んだ



「まだ起きねえよ。それより何しに来たんだよ兄貴。勝手に入って来やがって」



煩さで起こされた要は、騒々しく登場した一を歓迎する気は更々なかった



「お前に用はない。俺は美亜に会いに来たんだ!それより…」



ベッドから起き上がった要を睨みながら



「何で美亜がお前と一緒に寝てるんだ?!」


「知らねえよ」



一は素っ気なく交わされたのが気に障ったのか、更に怒気を帯びた



「美亜がお嫁に行けなくなったらどうするんだ?!行き遅れたらお前の所為だからな」



何の心配をしているのだろうか、この男は…