龍くんの姿が見えない。
完全に見失った。
仕方が無いので、さっきの場所まで戻ることにした。
携帯をあける。
「そぅいえば、アドレスも交換してなかったな・・・。」
ここで彼を待つことにした。
あたしの前を通る人たちは皆振り返る。
けれど、いつもみたいに、愛想笑なんかしてられない。
今は彼が現れるのを待っているのに必死なのだ。
1人は恐い。
「ねぇ、彼女1人??」
「可愛いじゃん。危ないよ。この辺。」
「俺達といい所いかね?」
「え。アノ。龍くんを・・・。」
「あ?誰それ。いいじゃん。俺達と遊ぼうよ。」
「慣れてるでしょ?こうゆうの。」
「遠慮してないでさぁ。」
腕を掴まれる。
恐い。
ひっぱられていく。
「や、だ・・・。やめて。」
「は?ふざけんなよ。大人しくついてこいっつってんの」
掴まれてる腕が痛い。
力が強くなっていく。
「や、いや!!誰か、たすけ・・・。」
「無駄だよ。」
口を塞がれた。
麻酔・・・?
意識が朦朧としてくる。
「龍く・・・」
意識が途切れた。