「「TATSU様~~~」」
「「TATSU格好好いっ!!」」
「「あーん。素敵~~~。」」
「「彼女にしてぇ~~~~。」」
同じF組の女子達が口々に騒ぎ始めた。
『そういやぁ、今の時代、TATSUを知らない人とかいんのか?』
「「いないでしょ。時代はTATSU一色だよぉ~。」」
「「そういえば・・・。」」
クラスでも仲の良い方の”藤代 綾音”ちゃんが私の方を向く。
「「さくらは、好きな芸能人とかいないの??
さくらが芸能人の話してるの、きかないけど・・・。」」
クラス全員の視線が一斉にあたしに集中した。
「え?あたし?あたしはいないよ~。」
「「だよね~。」」
「「さくらは皆のお姫様だもんね。」」
『あぁ。。いたらショックだよな。』
男子も女子も安堵の表情。
『やっぱ、花崎可愛いよな。』
『うん。彼女にしてぇ。』
「「あったりまえじゃん。さくらを何だと思ってるの?」」
「買被りすぎだよ。あやねちゃん。」
あたしは首を横に降って否定する。
F組では、そんな他愛も無い会話を男女平等でしている。
いうなれば、仲の好いクラス?
そんな中で、あたし、”花崎 さくら”は一目置かれていた。
学校の皆はあたしの事を天然って言うけど・・・。
見た目重視?まぁ、可愛いのは事実だけど。
それに、実を言うと「好きな芸能人がいない」なんて嘘。
本当は”TATSU"が大好き。

あと1時間授業を終えれば帰れる。
早く帰りたいな・・・。

ガララ。
教室のドアが開いた。
「席着け。授業始めるぞ。」
先生だった。
クラスの皆は渋々、まばらに席に着き始める。
こうして、授業開始のチャイムが鳴った。