「んじゃ、遠慮なく……いただきます!」

出された物をこれ以上、冷やすワケにはいかないしな。
まずは、スープをスプーンですくい口に運ぶ。
そして、そのまま唇でスプーンを受けて、口にスープを注ぐ。

「――美味い!」

さっそく出た感想がソレだった。
少し冷めていたが、おかげで味が分かりやすい。
熱いスープは身体を温めるためのものであり、味の細かい違いは素人の舌には分かりずらいのだ。

スープはとてもシンプル。
何かの出汁に、多少の味付けをした程度のもの。
とても質素なものだった。
しかし、質素でありながら、その味を引き立てる努力というか技量を感じさせる。

「あ、ありがとう……」

何故か、シスター風の少女が恥じらいながらも嬉しそうに答えた。
もしかして、これ作ったのは、この子か?
……ここは褒めちぎる他、あるまい!