そういうワケで俺は招き入れられ、ささやかな施しを受けていた。
シスター曰く『ささやかな食事』というだけあって、出されたものは本当にささやかな食事だった。

目の前のテーブルに並べられた食事は暖かなスープと、フランスパンのほんの一切れ。
しかし、今の俺にとって、それはご馳走にも等しいものだ。

いや、ご馳走と呼ぶ事すら足りないくらいに豪勢かつ、神聖なものとすら感じる。
故に俺は、思わず合掌しそうになるが、宗教的にここは指を組んでおくべきだろうと思い、慌ててやり直す。

「ふふ……礼儀正しいんですね?」

関心した声でシスター風の少女が後ろから語り掛けてくる。
まさか、褒められるとは思っていなかった。