「あら、あなたは…?」

思わず、本当に言葉を失ってしまった。
シスター風の服装、そして流れるような美しい金髪、澄んだ青色の瞳。
魅入ってしまっていた。
間抜けな事に。

「あ、あの……」

ぐぅ〜〜〜!
しかし腹は、俺の当初の目的を口よりも雄弁に語ってくれた。
当初の目的を忘れ去っていた俺を叱咤するかの如く、それは雄々しく咆吼を上げた。

「あ……お腹、空いてるの?」

口元を押さえながら少女は問いてくる。
明らかに笑いを堪えている。
まさか、一目惚れしかけた女の前でいきなり醜態を晒す事になるとは。

「は、はい…」

嗚呼、神よ。あなたは残酷だ。
……いや、それはもういい。
当初の目的は果たせるのだし、そうだ。これで良かったんだ。

「くすくす……」

気付けば、少女に寄り添う子供たちにも笑われていた。