「……………そっか」


蓮くんがあたしから離れる


…あれ…


「…何でそんな顔すんだよ?」


「蓮くんのことだから
押し倒して襲われると思った」


ふっと蓮くんが笑う


「俺…好きな子には
不器用だからさ」


一瞬、蓮くんが切なそうな顔をしたのをあたしは見逃さなかった


「華南……キスしてごめんね」


「…呼び捨て」


「え?」


なぜかあたしは
蓮くんに呼び捨てされた事が気にくわなかった


キスしたことよりも
呼び捨てが一番気になった


『んぁー華南…後10分』


いつも…翔だけだったから


「…呼び捨てが…やだ」


「ご、ごめん!!」


蓮くんが慌てたように言った


あたしは走って部屋を出た











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