「昨日の小田が泣いた理由はわかんねぇけど、俺が好きだからキスしたんだ・・・」
先生は真っ直ぐあたしを見てそう言う。
『あたし・・・嫌いじゃない。先生が・・・好きなの』
あたしは精一杯の力を振り絞り、この気持ちが伝わるように祈った。
あたしの想い届け。
届け。
届け。
「そっか、さんきゅーな」
先生は嬉しそうに言う。
あたしは頷いた。
「あのさ、小田からキスして」
えっ??
『出来ないよー、恥ずかしい』
あたしはそう言うが先生はもう既に目を閉じている。
普段御目にかかれない、瞼が閉じられた先生の顔はとても綺麗だった。
その顔にドキドキするあたし。
本当に夢のようだな。
あんなに人気のある澤本先生とキスできるんだよ?
夢・・・なのかな??
夢ならどうか覚めないで・・・

