「ねぇ~悠君!早苗とデートしてー!!」
廊下で女子達の声が聞こえる。
澤本先生は別名"悠君"とも呼ばれている。
まぁそれは3年の女子だけだけど。
「うーん…卒業したらな?」
先生は軽く答える。
「え?それ本当?早苗期待しちゃうよ」
「彼女いなかったらな」
お決まりの笑顔で言ってるんだろうなぁ…。
「約束だからね?ってか早苗が悠君の彼女になりたい」
なんて欲張りなことを言う先輩。
それにムッっときているあたし。
「まじかよ~ってか俺のどこがいい訳?分からん。あ!ちょっと俺これから用あるからまたにしてくれるか?」
っと先生はさらりとかわす。
「わかったーバイバイ!悠君!」
そう言って話は終わったみたい…。
ガラガラ・・・
『失礼します・・・』
あたしは昨日と同じ数学準備室に行き、
昨日座った場所へ座って先生を待つ。
「待たせて悪かったな小田」
先生は慌てて参考書が沢山入っている?
未開封のダンボール箱を持ってきた。
『大丈夫です!!今日は何をしたら・・・』
あたしが最後まで聞く前に先生は答える。
「この参考書から最後のページの答えだけを抜き取って欲しいさ」
と先生はさらりと言う。
『答えだけをですね、わかりました』
それだけ答えあたしはさっさとやり始める。
今日も先生は違う事をやっているみたい。

