「・・・優姫、俺の為に学校、辞めるのか?」



先生は今にも消えそうな悲しい声でそう言う。


あたしは、頭を左右に振る。


『先生のせいなんかじゃないよ。あたし、先生の事嫌いじゃないからそんなんで学校辞めたりしないよ~』


あたしは、作り笑顔と共にそう言う。



「じゃぁ、何で辞める必要がある?」


さっきとは違い少しイラだったような声で言う先生。


『・・・めんどくさくなったの!高校って義務教育じゃないし、辞めてもいいんだよね?それにあたし、やりたい事見つけたの。だから、辞める事にしたの』


あたしは、さっきよりももう少し笑顔を作る。



だけど、今にも涙がこぼれそうだよ・・・。


「ホントは、どうなんだよ?うちの学校はな、退学届けを受け取って受理されるまでに1ヶ月はかかるんだよ」



先生は眉間にシワを寄せてあたしを見る。



『それは・・・今すぐ辞めたいからお母さんが何とか言ってくれたんじゃ・・・ないかな?』


あたしは苦し紛れの嘘を付いた。





「・・・そうか・・・」


先生はどこか、ほっとしたようなそんな表情を浮かべているように見えた。