先生は鍵を受け取るとあたしのクマのキーホルダーを取り外した。



キャリンッ



クマのキーホルダーが外された音に、先生の家の合鍵は



もうあたしの元には返って来ないんだと思った。





先生は、鍵だけをポケットにいれた。



そしてクマのキーホルダーはあたしに返却された。






「そっか、解った。俺に付き合わせて悪かったな」





先生は優しく冷めた声でそう言った。



そして理科室から


 

  ガタン────っっ






と言うものすごい音を立てて



ドアを閉めて先生は出て行った。




本当はこんな結末を望んでいたんじゃないの。



“何で別れたいの?”


って言って欲しかった。



“別れたくない”


って言って欲しかった。




何でかなー


何でこうなっちゃうんだろう



あたしが悪いんだけどさぁ────



こんなのあんまりだよ…