理科室にはホルマリン漬けの
カエルなどが飾ってあり
あたしはそれをじっと見つめていた。
あたしは、先生が戻って来るまで、これから何を先に言えばいいか頭の中で整頓していた。
だけど、いざ考えても考えがまとまらない。
怖い…
昨日見たことを言ったらきっとお別れになっちゃうでしよ?
そんなの絶対嫌だよ…
だけどね、
あたし、決めたよ…
「悪い遅くなった」
そう言って先生は理科室に入ってドアを閉める。
キーンコーンカーン・・・
6限目の授業開始のチャイムが鳴る。
『大丈夫です。先生、あたし授業行かなきゃ』
あたしがそう言う。
すると先生は
「ああそのことなんだが…6限目は佐野先生に断ってあるから大丈夫だ」
先生はニっと笑ってそう言う。
先生は気付いてないのかな?
あの日あたしが見ていたことを・・・

