パラパラだった拍手も、すぐに大きな音となった。



これで他の生徒に、零会長の本当の姿が少しだけではあるが見えたはず。



それが嬉しいことなのは、分かる。



なのになぜか、目の前の現実を笑顔で受け止められないでいる。



零会長がみんなから好かれるのは、すごくいいことで。



会長に信任する可能性もぐーんとアップしたはずだし。



生徒会にとっても、桜華にとっても、嫌なことなんて1つもない。



それなのに、このグルグルと渦巻いている感情はなんだろう。



「…寂しい、ねぇ?」



あ。



そうだ、言葉にしてみると、そんな感じ。



「…って、誰?!」



いきなり横から聞こえた声に、思わず肩がビクッと跳び跳ねた。



「あはは。ま、知らなくて当然かな。知名度低いしねぇ」