――――…
「ちょっと零!聞いてんの!?」
案の定、俺は説教をくらうことになった。
「普通にやれって、言ったのにさ」
俺はベンチに寝転んだまま、呆れ顔の克也に言う。
「あれが俺の普通だ」
「屁理屈ばっか言って、ほんとガキね」
…………。
毎日飽きもせずケンカしてるヤツに言われたくはない。
また何か言われても面倒だから、あえて俺は口には出さなかった。
「……で?」
ここで克也は俺の目を見て、本題を持ち出した。
「吉野華奈ちゃん、て言うのは誰よ?」
ナギが腕を組んで俺に尋ねる。
俺は寝転んだまま、桜の木を見上げた。

