瞬間、私は言葉を飲み込んだ。



と言うより、それ以上口が動かせなかった。



「……んんぅ…?!」



私、知ってる。



この感触も、この熱も。



視界いっぱいの肌色と、唇から伝わる熱は、あの時を思い出させる。



零会長が、私にキスした時と一緒だから。



ただひとつあの時違うのは、零会長の手が首のリボンじゃなくて。



私の後頭部をおさえていたということ。



「……っ…」



今は酔っていないんだって、その手が教えてくれるみたいで。



抵抗も出来ず。



また、目の奥が熱くなっていくのを感じた。