「…んっ」


カーテンの隙間から差し込む光が眩しくて

私は目を開けた。


部屋の時計は自慢気に10時を示している。

…正確に言うと

10時15分。


かんっぜんに遅刻。


―まぢ 有り得ない―


入学式早々遅刻。


こんなん マンガだけの世界だと思ってた。


「まぁ 今更行っても終わってるだろーし…」

今日1日ぐらい

どーってことない。

「…にしてもお腹空いたな…」


そう思ってリビングへ向かった。




――――――


誰も……居ない部屋。


気配すら感じない。


「なんだ。海理居ないのか。」



専業主婦の海里(母)は時々

この家から消失する。


一人ぶらりと遠くの方まで

旅に出掛ける。



―――っつか。


「置き手紙ぐらい、置いてってよ(呆)」


自由気ままな海里に

今回だけは少し、苛立ちを覚えた。


……まぁ、あたしも似たようなもんだけど(呆)