いっそ、置いていってくれてもかまわない…と思った。



「先輩、ノリ悪すぎです。由里香先輩の機嫌、若干悪いですよ?」



そう思ってたらたら歩いていたら痺れを切らした綾人が駆け寄ってきた。
言われて由里香を見ると、じーっと案内板を見ている。

…確かに機嫌悪そうかも。



「先輩、ほら、かわいい動物たちが由里香先輩を待ってるんすから、行きますよ!」



…わけがわからない。

けどいっか。いつまでもウダウダと言っているほうがみっともない。俺は、ちょっと小走りで綾人の後を追った。



夏の湿った風が、俺をほんのり汗ばませた。