「冬に頑張ってきたぶんが、一気に今あふれてるんだから!このチャンスを無駄にしないで。高くそびえるバーと真っ向勝負しなきゃ!」 今の綾人の敵は佐々木くんじゃない。綾人自身なんだと思う。 「そうっすね…。」 まだ不安の残った顔で、綾人は呟いた。そう簡単には変われないみたい。 …私は、それでいいと思う。 「足元に落としたモノは、ゆっくり拾えばいいんじゃない?」 「ありがとうございます。」 「?」 綾人は私の耳元で、わざとなのか違うのか、そっとささやいた。