「1.90なんて、どうやったら跳べるんだか…。」





前のシーズン、ベスト記録は残念すぎる1.75だった俺は、いまや1.90を跳び越える成長をみせた。



まさか、こんなにすぐに跳ぶようになるなんて夢にも思わなかった。

だからか、身体はウズウズしていても心はどこか遠いトコロに置き去りにしてきてしまった様な感覚。



自分が跳んだ記録のはずなのに、それを客観的に眺めている自分がいる。…なんだか気持ち悪い。



初めて90を越したときは夢みたいで嬉しかったのに、今はそれが嘘みたいに心が冷めてしまっていた。