陽一君が
一度だけ、

僕に雪を
持って帰ってきてくれた。


とても冷たくて、
全然好きじゃなかったけど、


陽一君が
本当に嬉しそうに

僕に向かって
走ってくるから、

つい、つられて
僕まで笑顔に
なってしまう。



雪は
その日以外
持って帰ってくる事は
無かったけど、

あの日の
陽一君の笑顔は
忘れない。



その日、
ずっと降り続けた雪。


カーテン越しに見た
あの公園は
あまりはっきり
見えなかった。


今度は
カーテンをあけて
白く縁取られた公園を

陽一君と
暖まりながら
堪能したいな。