「全く辛気くさい子だよ」

まず、浴びせられる、第一声。

「あの女ソックリだよ。見てくればかり良くて、陰気な、お前の母親に」

その時によって、「ふしだら」だったり「人を小馬鹿にしてる」だったり、言葉は変わっても。

行き着くところは、母親の悪口。

そして。

「ほら、笑うんだよ。陰気な能面みたいな、あの女ソックリな顏を見せるんじゃない」

気が付けば、俺は、いつも、能面みたいに、笑顔を張り付けているような、子供になっていた。