「れーとの彼女だよね??……たしか、ミドリちゃんだ!」

テンポのいい明るい声がして、私は振り向く。

そこには長い髪の毛を横でまとめている、相沢くんの幼なじみの未央ちゃんがいた。

クラスも違うためあんまり話したことはないんだけど……


――どうしたんだろう。



私が疑問に思っていると、横から奈々子が耳打ちしてきた。

「あんた仲良かったの??」

私は苦笑いで首をかしげる。

「あのね!私、彼氏ができたんだ!」

「え……??」

なんでわざわざ私に??

「れーとに言っといてほしいの!あいつ私には彼氏できないって言ったでしょ!!」

「…………わかりました…」

「よろしくねっ!!」

そう言ってから未央ちゃんは嬉しそうに教室を出ていった。


「なんなの??」

「…………わかんない」

奈々子は未央ちゃんが気に入らなかったらしく、ちょっと不機嫌だった。