―――――

「……で、今日の放課後はデートをするんですね…」


梨佳ちゃんは足を組んで机に頬杖をついて、あきれたようにそう言った。

それからじろりと私を見る。

「……ノロケだ」


梨佳ちゃんの隣に座っていた奈々子が呟く。

それに頷く梨佳ちゃん。


「彼氏のいない梨佳に攻撃するとはね~…ミドリも成長したもんだ」

「……そんなつもりはないんだけど」



「いいのよ。わかってる」


突然、梨佳ちゃんはそう言って立ち上がった。

「邪魔者は退散するわ」

にっこり笑う梨佳ちゃんは全然わかってない。


「梨佳ちゃ」
「ミドリ」

教室から出ていこうとする梨佳ちゃんを引き留めようとしたがそれを奈々子が止める。

「今は行かない方がいい」


そう言われて私は大人しく椅子に座った。