名前ごときに必死になる自分に恥ずかしくなる。 「なに?俺に惚れたの?」 「?!」 そう言われると目が合わせられなくなる。 なんで否定しないのよっ!今までは普通に言ってきたじゃない。 でも結局言葉はでなかった。 「……図星だね」 「そうかもねっ!自分でも気づいてなかったわよ!」 「なんだそれ」 そう言って空気を吐き出して彼が笑い、目を細めてくしゃくしゃと髪を触る。 眼鏡を外した彼は呟いた。 「キスする?」