恋オモイ




気づけば喫茶店の中にいて目の前には水の入ったコップが置かれている。

相沢くんはテーブルを挟んで座っていた。


「ミドリ。何か食べる??」

「んー…私はオレンジジュースでいいや♪」

そう言うと相沢くんはメニューを見て首を傾げた。

「じゃー…俺はー…んー…コーラにしよう」

相当悩んでコーラを選んだ相沢くんは店員さんを呼ぶボタンを鳴らした。

鳴らしてからすぐに店員さんはきた…と同時に相沢くんの携帯も鳴る。


「オレンジジュースとコーラをお願いします」

私がそう言うと店員さんは頭を下げて行ってしまった。


相沢くんは携帯の画面に釘付けだ。


「……どうしたの??」

相沢くんは私の声に反応して慌てて顔を上げた。


「……ちょっと…忘れ物した…取ってくる」

私がひき止めるよりも早く、相沢くんは店を出ていった。

頼んだジュースは虚しくテーブルに残った。