しかし、大抵の女子は“こういう笑顔”に弱い
だからこの時は、雨宮もこういう奴には気をよくするのだろう、そう思っていた
だが雨宮から返ってきた言葉は予想とは異なるものだった
『いえ
お礼を言われるほどのことはしていませんよ
それに…やる気のない人にやられるほうがこちらとしては迷惑なので、丁度良かったです
意志のない方に代表の挨拶なんてしてほしくないですから
それでは、私はこれで失礼します』
それだけ言うと雨宮は再度俺の方に会釈をし、体育館の方へと歩いていった
東條直人の様子が気になって見てみると
笑った後に何やら複雑そうな顔をして、その場に立ち尽くしていた
よくよく考えれば雨宮の第一印象もかなりのものだった
だが当時の俺としては、年下にもかかわらず
堂々と先輩方(生徒会)を馬鹿にした東條直人が強烈に印象に残り
心の中のブラックリストにその名前が載せられたのだった
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そんな最悪の出会いを果たした俺と東條直人はそれからというもの
徹底的に関わりを避けてきた
それが今更になってこんな事になるなんてな…

