「あんまり無茶をするなよ
寂しいときは“寂しい”って言え
疲れたときは“疲れた”って言え
夢の中ぐらい甘えていいんだぞ?
ここはお前の夢なんだから」
…すべて見透かされたような気がした
いや、違う
これは私の夢なのだ
私自身が思っていることなのだから
決して東條が言っているんではない
分かっている
分かっているはずなのに…
こんなに心が揺れるのは何故…?
手に温もりを感じるのは何故…?
お願いです
これが夢なら早く覚めて
私は疲れたなんて言ってはいけない
寂しいなんて思ってはいけない
誰かの温もりを感じてはいけない
どんなに心がそれを求めても
私にはそれを得る資格なんて無いのだから
だけど…
これが夢だと分かっていても
ほのかに感じられる手の温もりは
嫌じゃないって思えた
「お疲れ様」
不意に降ってきた思いがけない言葉
戸惑いながらも顔をあげると優しく微笑む東條がいた
「今日のところは“お疲れ様”って言っといてやるよ」
いつもと少し違う言葉と笑顔に調子が狂う
「東條の…バカ…///
…地球外生命体…変態男…」
結局私はいつも通りの憎まれ口しか言えなかった
いや、夢だっただけ幾分か素で話せたのかもしれない
でも、本当は
本当はね…
“ありがとう”って言いたかったんですよ
これは夢なのに、ね

