「ね、ねぇ、どうしたの?みんなに見られちゃうよ…」

そう言って掴まれている手を外そうとするが、固く握られていて外せない。
大した抵抗もできないまま 悠斗に引きずられるように歩き続けていたが、校舎に入ってしばらくすると悠斗の足が止まった。

「…保健室?」

つい、ドアの上についているプレートの文字を読み上げてしまった。

「なっ、なんで保健室!?しかも今日は先生いない日だよ?」

ささやかな抗議をするが、ギロリと悠斗に睨まれ、何も言えなくなってしまった。


そしてそのまま、



――ガラガラ



私と悠斗は保健室へと足を進めたのであった。