悪女と良男





『………亜美さん』


保健室のドアを開け、中を確認。

そして亜美以外誰もいないことをチェックして声をかける。



「……うわっ?!なんで良男がいんの?!」

亜美は心底驚いたような顔で俺を見る。



『すみません、突然現れて』


あ~ぁ…ホント、このキャラ気持ち悪い。



「いや、全然大丈夫だけど…

で、なんかあたしに用?

寝不足だから寝たいんだよね、あたし」


相変わらず、自分勝手なヤツだ。

そんなことを思いながら俺は言った。



『今の亜美さんの彼氏…

もしかしてコウスケ、って名前じゃないですか?』